RubyWorld Conference 2016 開催趣意書

第8回目のRubyWorld Conferenceが開催されます。広がるRubyの生態系を実感していただければと思います。

昨今、ソフトウェア開発体制に大きな変化が起きつつあります。元々ソフトウェアの開発は、大部屋に開発者を集めて、膝を突き合わせながら開発するようなスタイルが主流で、知識や経験もそれぞれの組織に閉じたものになりがちでした。Webの発達以降、RubyやRuby on Railsをはじめとするオープンソース・ソフトウェアの利用は進みましたが、それはあくまでも利用にとどまり、その開発スタイルの定着はなかなか困難が伴いました。ソフトウェア開発において、開発するソフトウェアの効率はかなり重要視されるのにもかかわらず、ソフトウェア開発プロセスそのものの効率化はなかなか視野に入れることができなかったのが現実でした。

しかし、ソフトウェア開発者がオープンソース的開発になじんできたことで視野が広がり、オープンソース的開発が業務システムの開発にも次第に取り込まれるようになってきました。また、GitHubをはじめとするサービスやツールの発達により、そのような「新しい開発」への敷居はますます下がってきています。エンタープライズシステムの開発においても、ソーシャルな要素を強調した開発、「ソーシャルコーディング」が注目されています。ここにきて、ソフトウェア開発の生産性について真摯に追求する下地は整ってきたと感じます。

元々Rubyは、個々の開発者の気分や生産性などに注目して設計された言語です。その意味からは、Rubyとそのコミュニティは最初からソフトウェア開発プロセスの効率について意識してきたと言っても良いでしょう。Ruby誕生から20年、時代がRubyに追いついてきたのを感じます。

RubyWorld Conferenceは以前からソフトウェア開発の生産性について様々な形でたびたび取り上げてきました。今年のRubyWorld Conferenceが「ソーシャルコーディング」が注目される現在、改めて業務システムを含むソフトウェア開発プロセスの効率について考える機会となれば幸いです。

RubyWorld Conference 開催実行委員会
委員長 まつもと ゆきひろ

過去の開催趣意書